【第2回俳優WSレポート 1/4】前半クラス1日目



なんだか7月の第1回開催からあっという間だったような気がします。

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8日、9日の2日間、受講生が再び京都の地に集い、谷口正晃監督の演技指導を受けました。参加者の顔ぶれから場所、受講スタイルにいたるまで、多くの点で第1回からの変更点があった第2回。年代、性別問わず、役者を目指す方々の“キラキラ”した瞬間に満ちた時間をレポートします!書き手は第1回から引き続いて_is_です!


★今回のレポートは前半クラス(1日目/2日目)、後半クラス(1日目/2日目)と、合計4部に分けて掲載していきます。この記事は1部目です。全4部すべてに目を通すと、何やら得も言えぬ感動がきっと訪れるはずなので、ご期待ください。






1回から大きな変化のあった第2回ワークショップ       


201298日。


[映画24KYOTO 2012]第2回俳優ワークショップが当日を迎えました。


今回ワークショップ(以下、WS)の舞台となったのは京都の堀川中立売にある京都リサーチパーク町家スタジオ。日本式木造家屋の落ち着いた雰囲気の中、日々、展示会や企業セミナーなど、様々な催しに場所を提供しています。ドラマなどのロケ地に選ばれることも多く、先日もぐっさんこと山口智充さんが主演ドラマの撮影で訪れたとか。


受付開始時間になると、続々訪れる受講生たち。緊張の面持ちかと思いきや、意外とリラックスしていた人が多かったかも?


授業開始前のひととき。再会を喜び合う受講生もいれば、課題脚本の世界に没頭する受講生も。迫ってきたWS開始時刻まで、それぞれの方法でテンションを高めていきます。


さて、第1回から加えられた大きな変化として、第2回では受講生を年代別で2クラスに分け、10:0014:30を前半クラス、15:30~20:00までを後半クラスとし、それぞれ異なった課題脚本で異なったタイプの演技に挑戦してもらうことになりました。これは、大人数が一斉に受講する形になり、大幅に時間をオーバーしてしまった第1回の反省を受けての変更です。


前半クラスは「年少組」。さっそく朝からフレッシュなオーラが会場を満たしていました。





▶真剣にやりつつもフランクに 和気藹々とした授業スタート       


10:00
きっかりに授業スタート。まずは映画24区・三谷一夫代表取締役より御挨拶。





「役者はセンスだけでやる仕事ではありません。日々トレーニングの積み重ねです。特に、ワンシーンを演じるために脚本を一冊丸ごと与えられたのがどういう意味なのか、各自よく考えて実技に挑んでください」



映画業界での経験に裏打ちされた俳優の心構えを説く三谷さんの言葉に、受講生も真剣に耳を傾けます。


続いて谷口監督からもご挨拶。





「今回は前より人数を絞って一人一人に時間を割きます。真剣にやりつつもフランクに、気楽にやれたらいい」



監督と幾人かの受講生とはすでに顔なじみだったりもして、ジョークや軽口を飛ばしながらの和気藹々としたムードで、受講生の出欠確認&自己紹介へと続きます。お互いのキャラクターが分かってきているからか、打ち解けた空気で笑いが絶えない自己紹介。そんな中、第1回から続いての参加者に混じって、初参加の方もちらほら。演劇経験者の方もいれば、ミュージシャンの方も。新しい顔ぶれがこの2日間にどんな化学反応をもたらすのでしょうか?



▶実技開始! 戸惑いを隠せない受講生たち       






さあ、いよいよ実技開始!


谷口監督の指導スタイルは第1回から全く変わりません。課題のシーンをペアで順番に演じさせ、他の受講生とディスカッションしながらテイクを重ねていく・・・。おなじみの実践的な「撮影現場スタイル」です。





ただ、今回は町家スタジオの中庭に移動しての、初の屋外実技。課題脚本と似通ったシチュエーションで実際に演技する様子は、まさにロケ撮影。未知の体験に受講生たちの中にも戸惑いが走ります。


「脚本に描かれていない空気を読みとって表現してほしい」



監督が提示した課題脚本は、ラヴストーリー!受講生たちと同世代の男女の甘酸っぱいやりとりを演じてもらいます。受講生の男女比が圧倒的に女子多数だったため、男子受講生は必然的に自分の番が増えます。


「男子はいっぱい(実技を)やれて得したね」
と監督。


監督のスタイルを把握している受講生が多いため、進行はとてもスムーズ。ただ、どうしたことか、実技に入るとみんな固くなってしまいます。特に男性陣。見学の立場からも伝わってしまうほどに緊張していたよう。


「もっとしなやかに!もっと柔らかく!」



監督から繰り返し指示が飛びます。





「君、まだ相手のことをちゃんと好きになっていないでしょ?」



ある女性受講生の演技に監督がそう言いました。


「台詞を喋っていてしっくりこないのが分かる。それが演技の面白さ。心からの言葉じゃないと、台詞を言うのではなく、言わされているのが伝わってしまうんだ」



脚本に書かれている物語や台詞は絵空事でも、それを表現しようと思えば、真実として発さなければならない・・・。演じることの深さ、難しさを改めて感じさせられました。






▶第1回で築かれた信頼関係 そして「本番」       


ときには受講生側からも監督に意見し、監督も柔軟にそれを取り入れながら演技を考えていきます。それは演技指導というよりもむしろ、映画の現場で良いシーンを共に作りあげるための演出。そういえば、第1回WSではこんなやりとりが行われるようになるまでずいぶん時間がかかったような気がします。





休憩時間も、受講生同士が熱く演技について意見交換。ときには激しいほど率直な言葉をぶつけあっていたそうで、仲間であると同時にライバルなのだと思いました。若者たちだけを同じクラスに集めたことによって、よりその関係が際立ったのではないでしょうか?


余談ですが、受講者ではない私 is に監督から受講生の演技に対して感想を求められる場面も。しどろもどろになってしまい申し訳なかったです・・・。ただ、スタッフも含め、一丸となってWSをより濃密な時間にしていこうとする監督の意気込みが伝わりました。


授業の最後には、「本番」と称し、各ペア1テイクずつ撮影を行いました。





監督は「明日、自分の演技をみんなで観て話し合おう」と言ったきり、この日は敢えて「本番」の演技にはコメントせず。「本番」開始とほぼ同時に小雨が降ってきます。実はこの日の天気予報は朝から雨。むしろ、ここまでよくもってくれていたと言えるでしょう。服が濡れるのもお構いなしに演技を続ける受講生のひたむきな姿には胸が熱くなりました。



▶それぞれの思いを胸に一日目終了・・・       


全ペアが中庭で「本番」を撮り終えて室内に戻ると、この日の前半クラスの実技は終了。監督から明日、各々が演じるシーンの割り振りを行ってもらった後、受講生が順番にこの日の感想を述べていきました。


「緊張でドキドキして・・・」

「演技が思い通りにいかず、自分に腹が立った・・・」

「カメラの前で演技すると言われて驚いた・・・」

「人前で演技をすることをなめていた・・・」


ネガティヴな発言が次々と飛び出す中、男性陣からは

「納得のいく充実の一日だった」


との感想も!


最後は監督から締めの挨拶。


「相手と接する部分をもっとしなやかに。そして、一つのテイクが終わるたびにまっさらな状態に戻ってほしい。演技プランを用意して演じることは大切だけど、そこにとらわれてもいけない。準備したうえでリセットする。それを繰り返す」



それが難しんだけどね__と続けた監督の言葉に、受講生は神妙な面持ち。かくして、それぞれが様々な思いを抱いたまま、一日目の前半クラスは終了となりました。





大半の受講生にとっては初となった、カメラの前での演技。当然、自分の演技を自分で観るのも初体験となります。期待と緊張の二日目はどうなったのか?受講生たちはどのように変化し、成長していったのか?それらを引き続きしっかりとレポートしていきますので、2日目レポートにご期待ください!


_is


★「前半クラス2日目」へつづく!

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