後半クラス開始!そして苦戦!
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さて、こちらでは10月13日の後半クラス1日目をレポートします。
(★前半クラス1日目のレポートはコチラ)
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午後3時半きっかりにクラス開始。見慣れた顔ぶれが多い中、初参加の人達も何人か。舞台俳優、ラジオパーソナリティーなど、なかなかに濃い面々。どんな刺激をクラスにもたらしてくれるのでしょうか?
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出欠や自己紹介をこなしてから即座に実技へと移ります。前半クラスの課題脚本は思いの丈を打ち明ける男女の姿が印象的でしたが、後半クラスの課題はまるで逆のシーン。お互いのことを想いながらも、言葉がすれ違ってしまう男女のやりとりを演じてもらいます。
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前半クラスと同じく、こちらも集団演技。5人の登場人物それぞれに強い個性があり、どうお互いがぶつかり合うのかが見物。お互いを邪魔してもいけない、無視してもいけない・・・一体どうしたらええねん!な難易度の高い演技に挑みました。
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演技経験者の多い後半クラスと言えども、流石にワークショップ初の集団演技には手を焼いた様子で、最初は段取りのちぐはぐさが消えません。
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一つには脚本で表現されている「下町のノリ」をどう演じていいのかが分からない戸惑いがあったように思います。言ってしまえば、ここに集ったのは「ボケとツッコミ」の王国、関西出身のにいさんねえさんたち。心身ともに染みついた関西ノリが、東京の下町の空気を再現しにくくしていたのかもしれません。また、演技経験が豊富だからこそ、固まりきったスタイルがお互いにあります。自然体の演技、ダイナミックな舞台の演技、それぞれのスタイルが上手く噛みあっていないチームも少なくありませんでした。
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ただし、それ以上に苦戦の原因となっていたのは脚本そのものでしょう。気持ちとは裏腹の言葉の応酬。見栄や虚勢を張っているうちに大切な人を逃してしまう苦しさ。そんな繊細な感情表現の配分がみんな、なかなか上手くいかなかったのでした。
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登場人物の真実の気持ちを逃している
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「気持ちを逃している」
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演技指導の際、そう谷口監督は言葉にしていました。
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「結婚を決意して、ピンク色に染まった気持ち」
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「兄が結婚できて心の底から良かったと思う気持ち」
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それらを自分のものにできていないのだと、谷口監督は言います。
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言葉ではなく心。
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心がこもった台詞なら、例え心と真逆のことを言っていても伝わるものがある・・・。演技の素人であるわたしのようなものにはわからない深い世界に、受講生のみなさんは導かれていきました。
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「今の演技には●●●がいたね」
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谷口監督が、上手くできた人にはそう言って声をかけるのがとても印象的。
脚本に書かれた絵空事の世界を現実に出現させる作業。
それが演技であり、映画なのだと、確認させられました。
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逆に手こずっている受講生には「もっといけるでしょ」とハッパをかける。
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感情を曝け出すことの抵抗から解き放たれないと良い演技は出来ないのだと説いていきます。前回、受講生とスタッフ間で大ウケだった名台詞「パンツを脱いで!」も再登場。会場を沸かせました。
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小道具について『幸福の彼方』撮影中のエピソードを披露
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また、今回のワークショップの特徴としては、「衣装」と「小道具」の存在がありました。
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役作りのため、実技中、受講生は用意された衣装を身に纏い、キャラクターになりきるための工夫をしました。脇役のおばちゃんがお茶を運んで来たり、主人公が鞄を提げていたりと、小道具も豊富。より詳細な演技を求められることとなりました。
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ただし、前半クラスと比べると、どうも小道具を持て余している感の強かった後半クラス。
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「せっかくあるんだから、どんどん使ってもいい」と谷口監督。
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そして、監督の最新作『幸福の彼方』(『BUNGO 〜ささやかな欲望〜』の一篇)撮影中のエピソードを披露してくれました。
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会話シーンの撮影にあたる直前、名脇役・でんでんさんがいきなり「ねえ、饅頭ない?」と言い出したそうです。慌ててスタッフが饅頭を調達し、セットに置いたとか。すると、そのシーンで、でんでんさんが上手に饅頭を食べる仕草を演技に取り入れ、シーンに深みを出したのです。
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「みんながみんなに当てはまることじゃないけども」と前置きしたうえで、「上手い役者さんは小道具の使い方も上手いんだよ」と谷口監督。一流の役者さんのレベルの高さが窺い知れる貴重な経験談でした。同時に、谷口監督がワークショップで教えている内容が、撮影現場と何ら変わりがあるものではないと再確認。谷口監督の言葉が強く聞く者に刻まれていくのは、監督が長年培ってきたプロフェッショナルとしての経験に裏打ちされているからに他ならないのです。
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チームを変え、配役を変え、色々な演技パターンを試しているうちに後半クラスも終了。最後のローテーションではお馴染みのカメラ撮影。明日の冒頭、クラス全員で鑑賞することになります。
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ワークショップ第1日目・総括
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1日目を終えての感想です。
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これまでのワークショップが感情の盛り上げをいかに表現するかの「ジェットコースター」だったとすれば、今回のワークショップはまるで「綱渡り」。キャラクターが多い分、どこで演技がかみ合わなくなるか予想がつかず、自然と段取りを重視するチームが前半、後半どちらとも多かったような気がします。
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段取りが上手くなる、という意味では特に後半クラスでそれは顕著に成長が表れました。しかし、谷口監督も受講生も、まだまだそのレベルでは満足していなかったはず。一見ソツなく回ったようだったテイクでも谷口監督は「俺の好みとは違う」とし、更に高みを目指すよう演出を加えていきました。
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台詞をとちらない、段取りを間違えない、それは当然、演技者として大切な素養です。でも果たして、でんでんさんのような方は「ミスがない」からこそ名優と呼ばれているのでしょうか?
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答えのない答えを探すような険しい道を、俳優を志す人々は、ともすれば一生歩み続けるのかもしれません。
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そんな、映画の深さ、怖さ、素晴らしさを教えてくれた俳優ワークショップも残すところあと1日!引き続き、全力でレポートしていきます!
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_is
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おまけ
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偶然捉えた愛らしすぎるこの一枚。
(Mさん、怒ってるわけじゃないですよね?)
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“おまけのM”です
isさん、レポートアップありがとうございます。
ほんとに綱渡りな感じで、でもとっても刺激を受けたWSでした。
あ、ちなみに、怒ってませんよ(笑)