どこへ出しても恥かしい人

どこへ出しても恥かしい人

2019年/日本/DCP/5.1ch/64分
出演:友川カズキ、石塚俊明、永畑雅人、及位鋭門、及位然斗、及位玲何、大関直樹、安部俊彦、林 秀宣 、六兵衛鮨、菊池 豊、本橋さん、木村さん、万里伊さん
監督:佐々木育野/撮影:高木風太/録音:松野 泉/車輛:西村立志/編集:宮本杜朗、松野 泉、佐々木育野/宣伝美術:境 隆太
プロデューサー:酒井力、田中誠一/製作:志摩敏樹/製作・配給:シマフィルム株式会社

友川が抱える「ずれ」は、世間に、時代にあわせることをしない。むしろ「ずれ」を糧に冷ややかな世界に立ち向かい続ける、その生の強度にだれしもが感応するでしょう。老いたもの、若すぎたもの、なにかを忘れ、失い、傷ついたものたちすべてにとっての止血剤として。
― 都築響一(編集者)

ちあきなおみ、大島渚、中上健次らを魅了したアーティスト、友川カズキ
競輪狂いの日々と孤高の表現活動を収めたドキュメンタリー
ミュージシャン、画家、詩人としてカルト的人気を誇る友川カズキ。1974年にレコードデビュー、代表曲に「生きてるって言ってみろ」、ちあきなおみに提供(作詞作曲)した「夜へ急ぐ人」などがある。やがて画家としても活動を始め、1985年に初の個展を開催。その多彩な表現活動は、中上健次(作家)、大島渚(映画監督)ら多数の芸術家、文化人から惜しみない賛辞を浴びた。本作は、異形のアーティスト、友川カズキの2010年夏の記録を収めたドキュメンタリー。

ギャンブル、音楽、絵画―何十年も変わらないこの鋭利な表現はどこから湧き出すのか__
川崎の小さなアパートで暮らす友川は、一日の大半を競輪場に出向くか、家でレース予想に割いている。映画は、その生活の一端を捉えてゆく。競輪中継のテレビの前で、怒号飛び交う競輪場で、車券を握りしめて叫ぶ姿、近所の公園の噴水で水浴びをする姿、そして絵を描き、ライブで歌う姿…この現代にあって奇跡的ともいえる無頼詩人・友川カズキの慎ましくさえ見える日常の中で、もはやギャンブルや音楽というジャンルに収まりきらないほどの熱量が表出する。

そして、冒頭から競輪の予想を外し続ける友川は果たして劇中で万車券を手にすることができるのか……!?