【特集・シマフィルムの軌跡】in ポレポレ東中野

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11/20(土)よりポレポレ東中野吉祥寺バウスシアターにて全国劇場公開展開をスタートする『堀川中立売』の封切りを記念し、ポレポレ東中野にて、弊社シマフィルムのこれまでの足跡を追う特集上映企画が催されます。
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   〜京都の映画者(えいがもの)
 <特集・シマフィルムの軌跡> 
会場:ポレポレ東中野
日時2010年11月13日(土)〜11月19日(金)
【イントロダクション】

柴田剛の最新作『堀川中立売』公開を記念して、シマフィルムが所蔵する作品群を一挙公開!映画好きが高じて数々の話題作を製作・配給するまでなった建設機械業社・志摩機械=シマフィルムの全貌が明らかに!
組む監督は、相米慎二、森崎東、若松孝二、そして柴田剛。
扱うテーマは障害者、在日、やくざ、尊属殺人というディープでややこしいものばかりだけど、熱狂的なファンも多く、国内外の映画祭では高い評価を受けている。
シマフィルムを率いるのは、志摩敏樹。京都・舞鶴での土建業の傍ら、映画への出資から始まり、製作、配給、そして映画館の運営までを、全て京都をベースに行っている映画狂人。本人曰く、ただの映画好き。
これからの映画界、否、日本社会に必要な<個人の強さ>を持つ男、志摩が関わった作品7本を、志摩が惚れ込んだ監督・柴田剛の最新作『堀川中立売』公開を祝い、一挙上映。
未来のクラシックになるであろうシマフィルムの作品群を見逃さないで欲しい。
(ポレポレ東中野支配人 大槻貴宏)


【作品紹介】

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風 花  2000年/116分/35mm/配給:シネカノン

監督:相米慎二
出演:小泉今日子、浅野忠信、麻生久美子 他
音楽:大友良英
製作協力:志摩敏樹
◎故郷に残した一人娘に5年ぶりに会いに行く風俗嬢・ゆり子と、酔った勢いからドライブに付き合うことになる謹慎中のキャリア官僚・廉司。ゆり子は親の反対から娘に会うことが出来ず、廉司もまた上司から一方的な解雇を告げられる。帰る場所も無い二人は一路、北へと向かう。名匠・相米慎二が最後に撮ったのは大人のラブストーリーだった。

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NN-891102 *インターナショナルバージョン(英語字幕入)
1999年/75分/16mm/製作:D.M.T/配給協力:シマフィルム
監督:柴田剛
出演:長谷川隆也、西田有祐、角谷悠 他
◎1945年8月9日11時02分、長崎に原爆投下。防空壕の中で、奇跡的に命を取り留めた少年・音無零一。以後、零一は、原爆投下時に体感した爆音の再生だけを夢み、55年の生涯を費やす。そして、2000年8月9日11時02分。零一はついに、爆音の再生を果たす…柴田剛監督による衝撃作!

【コメント】

「トラウマ転じて福となせ!」それが映画の主題だ。
一方では、世のトラウマ・ブームに対する辛辣な批評になるが、他方では、人を傷つけて「力を奪う」社会の中で、にもかかわらず人が「力に貫かれる」ための逆転満塁ホームラン的方法を示唆しているとも言える。
宮台真司(社会学者・評論家)

「独創性に満ちた発想と語り口。『NN-891102』には、大きな開花を期待させる種子が詰まっている。柴田剛、かなりいい」
山本政志(映画監督『闇のカーニバル』『ロビンソンの庭』)

過去十年、『映画』自体への実験と冒険を忘れていた独立プロ作品群の中、久方ぶりにドエライ闇の輝きを放つ映画が現れた。私は柴田君(監督)が何を企み、且つこれから何を狙っていくのか、底知れぬ興味を抱かせられた。だから柴田君には、是非、何がなんでもその企みを極めて欲しい!私は、この映画を観ることができて、本当に、とても、嬉しい。幸せだ。ありがとう。
松井良彦(映画監督『追悼のざわめき』)

発想は強烈な爆発。しかしこの監督はそれを単なる初期衝動のみで突っ走らずに、豊かな想像力と丁寧な映像の積み重ねによって描いた。ロマン溢れるラストシーンには本気で鳥肌が立った。
熊切和嘉(映画監督 『鬼畜大宴会』『海炭市叙景』)
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ニワトリはハダシだ 2003年/114分/35mm/配給:シマフィルム 
★第55回芸術選奨 文部科学大臣賞受賞、★第54回ベルリン国際映画祭フォーラム部門出品
監督:森崎東
出演:肘井美佳、倍賞美津子、原田芳雄、石橋蓮司、加瀬亮 他
製作総指揮:志摩敏樹

◎知的障害を持つ少年サムは、人並みはずれた記憶力を持っている。しかし、その能力が災いして偶然にも警察の汚職事件に巻き込まれる羽目に陥ってしまう。権力を盾にサムを犯人にしたてようと目論む人々から彼を救い出そうと、一緒に暮らす父、在日朝鮮人の母、そして養護学校の教師までもが、体を張って事件の謎に挑んでいく!笑いあり!涙あり!怒りあり!森崎映画の真髄!

【コメント】

昨年私の見た映画ベスト1は、イーストウッドの『ミスティック・リバー』と並んで、森﨑監督の『ニワトリはハダシだ』でした。理由は簡単です。その二本ほど<真の映画>とはこういうことだ、と教えてくれる映画は、今年にかぎらずここ数年お目にかかっていなかったからです。
娯楽も芸術も、古典も現代も、創造も破壊も、民族も個人も、宴会も孤独も、左も右も、愛情も憎しみも、とにかくすべてがキャメラの前で平等に運動=疾走に還元されることを<真の映画>と呼ぶとしたら、『ニワトリはハダシだ』こそ、その名に値する二十一世紀最初の、そして唯一の日本映画だ、と断言します。
倍賞美津子氏が包丁二刀流を構えた瞬間、背中に電撃が走り、僕は心の底から号泣しました。あの瞬間、『ニワトリはハダシだ』はあれほど好きだった『党宣言』を超えてしまった。しかし、ただただああいう経験がしたいからこそ、僕は映画を見続けてるんです。とくに森﨑映画を!
森﨑監督、次の映画はいつですか?!
いますぐ見せてください!!!
お願いします!!!
青山真治(映画監督『ユリイカ』『サッド・ヴァケイション』)
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おそいひと 2004年/83分/35mm/配給:シマフィルム
★第5回東京フィルメックス・コンペティション出品
監督:柴田剛
出演:住田雅清、とりいまり、堀田直蔵 他
音楽:world’s end girlfriend、バミューダ★バガボンド
製作:志摩敏樹 

◎電動車椅子で移動し、ボイスマシーンで会話を交わす重度身体障害者・住田の元に、卒論のために介護を経験したいという敦子が現れる。その日から、住田の中で違和が蠢き、混沌とし、次第に狂気に身を委ねていく。そして、ある一つの決心をするのだが…。センセーショナルなテーマのため日本映画界から封殺されつづけてきた問題作。狂気を孕んだモノクローム映像と、耳から離れないノイズミュージックは観る者の身体から鮮烈なカタルシスを放出させる。

【コメント】

始まってすぐに映像の美しさに圧倒され、次いで主演・住田の存在感に引き込まれ、やがて監督・柴田の眼差しの繊細さに出くわして幾度となく言葉を失い、劇中の「小池」に黙祷しつつも、最後はこっちの気持ちを丸ごともって行かれた。もしあなたが、この美しい傑作を観る直前までの私と同じく、「不必要な過激さを盛り込んだ障害者モノではないのか」と警戒しているのなら、そういうあなたや私の力みの正体が何であるのかを、『おそいひと』は涙とともに教えてくれるかもしれない。
モブ・ノリオ(作家『介護入門』)

これはわるいえいがだっ!!!
加瀬亮(俳優『それでもボクはやってない』『アウトレイジ』)

ハッピーバースデー住田 “トラヴィス” 雅清さん
是非死刑となって あなたの自由を完成させて下さい。
新井英樹(漫画家『宮本から君へ』『ザ・ワールド・イズ・マ

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